福島県で中学時代を送っていた頃、仙台の本屋さんで千葉真弓『ファシクラ伝』という漫画を買った。 (支倉常長の肖像画) 『ファシクラ伝』は、江戸時代初期に伊達政宗の慶長遣欧使節団としてメキシコ・スペイン・ローマを訪問した支倉常長という人物を描いた漫画だ。 この慶長遣欧使節団はスペインとの交易とキリスト教の司教の座を仙台に設置することを主目的であるとされている。当時のスペインの王宮やローマには日本のキリスト教弾圧の情報が伝わっていたので、交渉は大きな成果をあげず帰国したことになっている。 (慶長遣欧使節団のルート。日西観光協会) しかし、この慶長遣欧使節にはもう一つの目的があったのではないかという説がある。それは「倒幕」。伊達政宗はスペインと極秘裏に軍事同盟を結んで徳川将軍家を滅ぼそうとしたのではないかという説だ。 『ファシクラ伝』は、この倒幕説の立場に立って、支倉常長一行がメキシコ・スペイ…
facebookの友達から1月1日の夜は渋谷から人混みが消えて幻想的な光景が見られると教えてもらって、近所の様子をD810で高感度撮影してきました。 写真は素人なので構図はあんまり上手ではないです。 狂った街・東京の素顔。 スクランブル交差点 人がいなくなったスクランブル交差点 誰もいなくなった渋谷駅・ハチ公改札。 センター街 センター街の入り口。人よりもゴミの数の方が多い。 センター街の中。ネズミが走り回っていた。夢と欲望のネズミの王国。 ゴーストタウン「センター街」 センター街の奥は闇に包まれている。 こちらの通りもネズミしか通るものはいない。 誰も歌う人のいないカラオケ。静寂だけが木霊する。 地下は漆黒に包まれていた。 東急本店方面 誰もいないのに安売りしているドン・キホーテ 明日の初売りまで沈黙している東急本店。 ふと脇道を覗くと、ホテルが誘蛾灯のような妖し…
『国民クイズ』という漫画をご存じだろうか。1993年に『モーニング』で連載されていたディストピアSF漫画だ。今となっては知る人も少なくて話題に出ることも少ないが、私は小さい頃にこの国民クイズを読んで強い印象を受けた。 1993年という時代はバブル経済が崩壊した直後で、まだ日本は世界第2位の経済大国で、世界中に商品を売り歩き、アメリカの企業やロックフェラービルなど様々なものを買収していた豊かな国だった。将来の世界経済は日本を中心に動くという本も沢山あった。その時代を象徴する漫画で内容も皮肉に飛んでいて面白くオススメなので紹介させて頂きたい。 『国民クイズ』は未来を描いた漫画だ。日本で革命が起き日本国憲法が改正され、国民クイズが国権の最高機関として行政・立法・司法あらゆる面において優先されることになった。 国民クイズは日本政府の国民クイズ省が運営するクイズ番組。日本国民は国民クイズに出場して…
相馬に住んでいたときは全然不思議に思わなかったけど、結婚していた時に冠婚葬祭などで妻と一緒に相馬に帰省したときに妻に驚かれたことがある。 それは「隣組」の存在。相馬には今も隣組が残っている。 隣組とは 江戸時代には農村や町に「五人組」と呼ばれる連帯責任・相互監察・相互扶助の組織があって、これが末端組織としてお互いを監視したり助け合っていたことは歴史の教科書にも書かれている。 隣組は、この五人組の慣習を利用する形で、戦時色が強まりつつあった1940年に内務省が訓令した「部落会町内会等整備要領」によって全国に組織された。 5軒〜10軒くらいの家を中心に、物資の配給や供出を行う単位であり、銃後の生活を支える住民互助の組織であったが、同時に住民同士が相互に思想を監視し合う役割を負っていたとされる。 隣組の歌 同1940年に隣組の普及啓発を目的として「隣組」の歌が作曲された。隣組の役割が歌われてい…
「ブロガー」「メディアクリエーター」の呼称論争は超どうでも良いのだけど、「ブロガー」という言葉が相対化されているのを聞いて2002年頃の日本のWebを思い出した。 「ウェブログ」って何? ブログは元々ウェブログと呼ばれた。2002年頃から「アメリカでは9.11以降、ウェブログが急速に流行っている」という話を聞いた。個人が情報発信できて論説や日々の記録を書き綴れるツールとして紹介された。 しかし、この「ブログ」(ウェブログ)が日本で流行るかどうかに関しては、当時「ブログなんて流行らないんじゃねーの?('A`)」という懐疑的な意見がかなり多かった。日本のネット文化は伝統的にパソコン通信の頃から個人のテキストサイトを中心に発展しており、掲示板や日記などのオーサリングツールも沢山あった。 あめぞう→2ちゃんねるの流れもそうだし、レンタル掲示板の「teacup.」、日記ツールのtDiaryなど優れ…
第二次世界大戦までの日本の諜報活動や防諜活動に関しては、終戦前後に多くの資料が焼却されていないため詳細が分かっていない部分が多いが、当時の回顧録や近年になって公開されたアメリカやイギリスの情報機関の資料などによって明らかになった部分もある。 日本を巡る諜報事件としては、ソ連のスパイ・ゾルゲが日本政府関係者や新聞記者と接触して御前会議の「帝国国策遂行要領」などを入手し、日本がソ連攻撃ではなくアメリカ・イギリス・オランダの支配する南方に向かう予定であることをソ連政府に報告していたゾルゲ事件が有名だけど、今回はあまり知られていない「ジミー」と「ラットランド」を取り上げる。当記事の多くは小谷賢『日本軍のインテリジェンス』に依拠している。 ニ・二六事件で憲兵隊が発見した手紙 1936年に二・二六事件が起きた時、東京に戒厳令が敷かれて陸軍の憲兵隊は通信に関する一斉検閲を実施した。その時、憲兵隊は帝国ホ…
ヒトデさんの記事を読んで、自分が低学歴になった経緯を何となく回想してた。 父は私に医者になってほしかった 福島県の県立高校受験の合格発表日。東京で地下鉄サリン事件が起きた日だった。相馬高校に張り出された理数科の合格者の中に私の名前があった。 相馬高校は福島県内で4番目に古い旧制中学が始まりで、相馬市の中学生の多くが相馬高校に進学するので、高校卒業後の進路も東大に受かる人もいれば専門学校に進む人や農業を継ぐ人もいて様々だった。 普通科と理数科があって、私の合格した理数科は特に理数系の授業が多いというわけではなく、事実上の国公立大学向けの進学クラスだった。理数科に落ちると普通科として入学することになる。 理数科に合格した私に向かって父は、「東大は無理かもしれないけど、東北大とかに進んで医者になって俺が病気になっだどきに診てくんろ。そうすれば家から通えっぺ」と半分冗談交じりに話していた。医者にな…
GMOソリューションパトナー株式会社からSEOの営業電話が掛かってきたよ! 先週は鬱で沈んでいたのですが、会社に掛かってきた電話だけは取るようにしていました(Skype経由で受信しています)。会社に掛かってくる電話ってほとんどが営業電話なのですが。 そんな感じで先週はGMOソリューションパートナー株式会社から電話が掛かってきました。 内容はSEOの営業電話。ちょっと会話した内容を思い出して書いてみる。 電話の内容(テレアポの人と) 「わたくしGMOソリューションパートナーの○○と申します。恐れ入りますが齊藤代表はいらっしゃいますでしょうか?」 「はい、私です」 「大変失礼いたしました。御社のホームページを拝見いたしましてお電話いたしました。いま少々お時間の方よろしいでしょうか?」 (普段はここで「すみません、今忙しいのですので」と言って電話を終えるのですが、GMOグループは私の古巣なのでお…
今は昔の秋葉原の思い出を書き出してみる。 駅前編 ■ 駅前にバスケットコートがあった ■ 地下鉄サリン事件までオウム真理教がマハポーシャでオリハルコンというブランドのパソコンを売ってた ■ アキハバラデパートがあって趣のある建物だった 秋葉原でLinuxと出会った (Linuxの創始者リーナスが秋葉原に来た時の写真) ■ 秋葉原で一番よく行くお店はぷらっとホームだった ■ ぷらっとホームでTurbolinuxのCDを購入した ■ 自宅のThinkPadにTurbolinuxを入れてみたらビデオカードを認識しなくてX Windowが起動せずWindows領域も消してしまったので黒い画面しか出ないマシンになった甘酸っぱい思い出 ■ Turbolinux10でようやく画面が出るようになった。KDEの画面が使いやすくなっていて感動した ■ ぷらっとホームでSUSE Linuxなるものに出会って…
パナマ文書に載っていると指摘された日本企業リスト 「パナマ文書」がネット上で盛り上がっている。タックス・ヘイブンで租税逃れをしている企業や個人のデータ(2.7テラバイト)がパナマの法律事務所から流出して、アイスランドでは既に政変も起きている。 しかし、日本では報道の扱いは小さい。パナマ文書には電通や大手スポンサー企業も載っているから、日本のマスコミはパナマ文書を大きく報道しないし、日本政府も調査しないことになったという話が広がっている。 その企業リストとは以下の通り。 パナマ文書もといオフショア・リークスより日本の企業を抜粋してまとめてみた。太文字は上場企業。 pic.twitter.com/f27nPgs8Le — maisonkayser.bot (@rockhound_) April 6, 2016 でも、この企業リストはほとんどが三次情報で、二次情報の出所を辿ると2ちゃんねるに…
『地球を「売り物」にする人たち』 マッケンジー・ファンク『地球を「売り物」にする人たち』を読んだ。 この本は発売前から興味があってAmazonで予約注文して発売日当日に購入したけど、なかなか読む時間が取れなくて今日読了。 著者はキューバのグアンタナモ強制収容所から初めて解放された囚人にインタビューしてアメリカの拷問の実態を明らかにするなど気鋭の若手ジャーナリスト。 地球温暖化はビジネスチャンスになる この本の内容は地球温暖化による気候変動が止められないことをビジネスチャンスとして捉えて活動している企業・個人・国家などを取材したルポルタージュ本となっている。 「気候変動にまつわる議論は、コストとリスクから離れ、胸躍るチャンスの数々をどうつかむかというテーマに移りつつあります」(ドイツ銀行。本書より) 第1章は北極の氷が溶けて北西航路(北極海航路)が出来つつあることを取り上げている。今…
MacといえばHomeBrew 皆さんMacを使っていますか?私もMac・Linux・Windowsを3つ使い分けています。 Macのパッケージ管理システムと言ったらHomebrewですね。私は新しいマシンが入ったらまず先にHomebrewをインストールしています。 MacへのアプリケーションのインストールもApp Storeじゃなくて基本Homebrewから。 ここで私がHomebrewでインストールしているアプリ一覧を晒してみます。Macユーザーの皆さんのご参考にどぞー! brew install $ ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)" brew install ruby brew install rbenv…
神聖皇兄ナスリム 『風の谷のナウシカ』の原作には好きなキャラクターが多数登場するけど、その中で群を抜いて好きなのは土鬼諸侯国連合の神聖皇兄ナスリムだ。 彼は国土のほとんどが腐海に飲まれた土鬼の地で、皇弟から実権を奪って僧会を滅ぼし、クシャナと結婚してトルメキアに侵攻を計画する。彼はそれを「たそがれの王国」と呼んでいた。 「ヒドラだけでは心もとない」という言葉があるんだけど、そこに彼の孤独なニヒリストとしての心境が投影できて深く共感できるものがあった。 彼が本当にほしかったのは、もしかしてトルメキアではなくて実はクシャナだったのかもしれない。 (『風の谷のナウシカ』) ナスリムの世界と政権交代 ナスリムが実権を握ってから、国土が腐海に飲まれてもなお生き残った僧会への弾圧を続けるのだけど、その辺のシーンが民主党の政権交代のシーンと重なって好きだ。 私は民主党を支持していたし、2000年頃に森…
戦後、高度経済成長に伴って全国各地に商店街が出来た。そこでは地域のおじさん店主が「おう、坊や、元気か?」と声を掛け合ったり、明るくも甘酸っぱい商店街を取り巻く地域の思い出が沢山あったのだろう。 しかし、今や全国で商店街がシャッター商店街への道を歩んでいる。地方にはイオンやかっぱ寿司など東京資本の全国チェーンが怒濤のように進出してきていて、今や地域の雇用はこれら東京資本が握っているのが正直な現状だ。もちろん、創意工夫で町おこしに成功した商店街もある。しかし、それはテレビニュースで語られるぐらいに稀な話題だ。全国の多くの商店街は、イオンほど賢い戦略が描けているのではない。商店街の創意工夫には限界があると見た方が良いだろう。 地元商店街を救済すべきだという意見は、政治の世界も含めてよく聞く陳腐なフレーズではある。しかし、陳腐すぎて中身がない。もう日本には地元商店街を支えていく余裕はない。経済効…
高校時代、いつか革命が起きると信じていた。 私が入学した相馬高校は公立の男子校だった。私はその相馬高校の中でも理数科だった。理数科とは名ばかりで、国公立大学志望の選抜進学コースだった。例外的に理数科では女子の入学が認められていたが、勉強にしか興味のない女の子しかいなかった。 毎日毎日、ひたすら受験勉強が繰り返された。本来はELTの外人の先生と英語の楽しさについて学ぶはずの授業も、おっさんの英語教師が来て英語の文法演習に充てられた。私は急速に学校の勉強に興味を失っていった。中学の時は学校トップだった成績も、一気に赤点まみれになった。 そんな中で私が興味を持ったのは革命思想だった。具体的にはマルクスだ。図書館でマルクスの『共産党宣言』を読んで、「ヨーロッパに亡霊が出る」様子がありありと描かれているのに戦慄を覚えた。既に東西冷戦終結し、社会主義国家はオワコンになっていたが、マルクスの指摘した「…
今日もコンビニ弁当をレンジでチンして食べた。 なぜ人間は温めた食べ物を「おいしい」と感じるんだろう? ご飯、ラーメン、味噌汁、煮物、炒め物、みんな温めてから「フー!フー!」と冷ましながら食べる。多少「熱い!」と感じるくらいが一番おいしい。 なぜ、この温度をおいしいと感じるんだろう?温めたご飯を冷ましながら食べるという行為は進化論的に非効率なのではないか? この疑問をfacebookに書いたら、「加熱は消化のアウトソーシング」という回答を頂いた。確かに加熱することによって、人間の体内への消化吸収をアウトソース出来る。人間は何度か絶滅の危機に瀕したことが遺伝子などの調査で明らかになりつつあるが、アウトソースした食物をおいしいと感じる性質が強い性質を持った人々が生き残ったのだろうか。 ただ、水やジュースは冷たい方がおいしい。アイスも冷たい方がおいしい。サラダやフルーツやおひたしや刺身も冷たい方…
私は大東文化大学というFランク大学を中退した。大東文化大学というと、関東の私大でいうと「早慶上智」の次の「MARCH」の次の「日東駒専」の次の「大東亜帝国」の部類に入るので、一般的には「滑り止めの滑り止め」的な認識をされる大学だ。 大学案内のパンフレットには、「私達は大東大。ビッグ東大です」って書いてあって、入学する時にもそういう話があってコンプレックス丸出して恥ずかしかった。 大学時代は大東雄弁会というサークルに入った。弁論やディベートや社会科学の研究会を行うサークルだ。全関東学生雄弁連盟というインカレがあって、そこで政治問題や法律問題について他大学と弁論やディベートなどで対戦するのだけど、特に学歴に関係なく勝利することが出来た。 雄弁会での私の戦歴 ・全関東学生雄弁連盟新人弁論大会 質問賞 ・東京大学主催新人ディベート大会 優秀賞 ・法政大学春秋杯弁論大会 優勝 ・中央大学花井記念…
私はネット弁慶で書き言葉は得意な方だけど、コミュ障なので会って話すのは苦手。 (@zou_da_zou) 私のネットの書き込みを読んで「ぜひ会ってみたいです」と興味を示してくれた人が期待に胸を膨らませて私と会って話して、一通り会話が終わると「文章がすごく上手ですよね〜!」って言われる。 いや、いま会話しているんだけどw そして決まって「またネットでの書き込み楽しみにしています」って言われる。ああ、そうか、そういう役回りなんだな、自分は…。特に女性と会った時に言われると結構ショックがデカい。恋愛関係を持ちたいとかそういう意味じゃないんだけど(既婚者だし)。 同じように飲み会でもうまく話せない。何を話したら良いか迷う。大人数の飲み会だと大抵自分のテーブルの周囲はだんだん時間が経つと人が少なくなってきて、自分がいないテーブルの方が人が増えて楽しそうに盛り上がる。 初対面の相手が多いと、ますます…
前回ははてなユーザー会に沢山の生温かい反響を頂きありがとうございます。いくつかユーザー会の企画を考えているのですが、それを巡って手斧を持った人々で揉める前に、せっかくGWに入ったので思い出話を書かせてください。オウム真理教とパソコン通信の思い出。 私は福島県相馬市に生まれて、人口4万人のド田舎だったので、コンテンツといえばテレビか本(オカルト)しかありませんでした。例外なく私はオカルト少年になって、小学5年生の頃から雑誌『月刊ムー』の愛読者になっていました。相馬の本屋さんでは『ニュートン』の隣に『ムー』が平積みされていたのです。 超古代文明は核戦争で一度滅んでいる。世界はフリーメーソンが影で支配している。アメリカ政府(マジスティック12)は宇宙人から軍事技術を入手してエリア51で極秘実験を行っている。ヨハネ黙示録に預言された「666の獣」がアメリカ大統領になり世界最終戦争が起きる。 ……
大手メディア系のWEB事業をやっていると電通や博報堂が絡んでくる。 WEBでは「電通や博報堂が裏でテレビなどのメディアを裏で操っていて私達は印象操作されている」的な陰謀論も盛んだ。実際に電通や博報堂と一緒に仕事をしていると、そういう面もあるかな〜と感じる一方で、電通や博報堂の丸投げ体質や中抜き体質を痛感させられる。 誰もが名前を知っているような大手企業のメディアやキャンペーンの仕事は、電通や博報堂がまず一次請けになる。そして二次請けに中小の制作会社がつく。三次請けに孫請けの制作会社やフリーランスがつく。二次請けの制作会社はディレクションや進捗管理を担当する。実際に実務としてCMSやキャンペーンサイトの開発や制作を行うのは三次請け以降の会社の仕事である場合が多い。 では、電通や博報堂は何をしているのか。「丸投げ」と「中抜き」だ。時々、二次請けの会社に電通や博報堂の担当者が電話やメールで連絡…



















