「facebookってどんなサービスですか?」「グルメガイドです」

カオスなインターネットとfacebook

私はカオスなインターネットが好きだ。

それだけに、最近facebookが面白くなくなってきた。

以前から毎日のご飯の投稿が多かったけど、その比重がますます高まって、それ以外の投稿も比較的当たり障りのないようなものが多くなってきた。初期のmixiやfacebookにあったような、SNSだからこそ知り得るような裏情報はそこにはない。

facebook疲れとか色々原因は指摘されているけど、私は原因は日本の実名ネット文化が未成熟だからだと思っている。ネットで匿名だと過激な議論や裏情報を展開する人が、実名だとレストランの写真を投稿するのだ。海外の友達も何人かfacebookでつながっているけど、彼らはもっとfacebookを多目的に使っているし、ざっくばらんな話もしている。

日本では伝統的に匿名ネット文化が発展してきたので、実名ネット文化はまだあまり馴染んでいない。海外では大流行しているLinkedInが、日本ではただの転職サービスになっているのも実名制なのが大きいと思う。

日本人は実名でプライベートな情報を書くと「晒す」ことになってしまって、「人生の切り売りをしている」なんて言われたりする。私はブログに好きな時に好きなことを書いているだけだけど、私の倫理観が問題になったりする。だから日本人は実名での情報発信を控えがちになる。これが増田の投稿だったり、2ちゃんねるの書き込みだったら、そういうことは言われないんだろうな。あるいは育児ブログ。

アメリカ人はブログでもメールでもTumblrでも平気で実名を出すし、自分のプライベートな話題もかなり赤裸々に語る。匿名と実名でどっちが良いというわけではなくて、ただ、日本との文化の違いは感じた。

日本のネット社会は実名だと生きにくい。でも、匿名になっても私は秘密を維持しながら書くのが苦手だしな〜。この辺、以前書いた「親密圏と公共圏の曖昧化」とセットの問題だと思うけれど、有害規制に多元的な価値観を認め合うことが大事なように、匿名文化の人も実名で情報発信することを「晒す」とか呼ぶのではなくて価値観を認め合うことが大事なんではないかなと思っています。私も匿名文化は尊重しています。

facebookも息苦しく、つまらないものになってきた原因は日本の実名文化の未成熟さが原因じゃないかな。リア充じゃないといけなくて、ダークな話題も書いてはいけない雰囲気がある。