地方の公立男子校は阿鼻叫喚の地獄絵図だった

女子校出身者が娘を女子校に入れたがるワケのうちの一つかなあ。を読んで、「男子校だったけど、女子校に行きたかった」とコメントしたけど、本当に地方の公立高校の男子校は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

男子校しか選択肢がなかった

相馬市には相馬高校と相馬女子高校の2つの高校しかなかった。事実上、相馬市で高校に進学するならば男子校しか選択肢がなかった。仙台や原町(現在の南相馬市)に通えば共学校があるが、田舎なので電車は1時間に1本しか無い。そのため、普通に高校に通うことを考えると相馬高校しか選択肢がなかった。

応援団によるシゴキ

入学した初日から、放課後に全員が強制的に残らされて応援団による校歌・応援歌・復讐歌の指導があった。応援団は竹刀を振り回してデカイ声で校歌を歌うように指導した。全員がデカイ声で歌えるようになるまで帰れなかった。私が入学した当時は応援団による過激なシゴキが相馬市内でも問題視されていて、応援団は生徒会主導でやるようになっていたが、内容は同じだ。大きな声を出すまで帰れないのだ。小さい声のままだと竹刀のバシッという音が響いた。そんな恐怖の中で歌うのだ。

この校歌・応援歌・復讐歌の指導は春の選抜高校野球が開催されるまで毎日続いた。私は野球には全然興味がなかったけれど、全員強制で新入生は野球の応援に行かされることになった。そこで野郎だけでデカイ声を張り上げて校歌や応援歌を歌うのである。チアリーダーなんてもちろん無い。結局試合は負けて、今度は復讐歌を歌うのだ。

ナイフによるいじめ

確かに男子校なので容姿によるいじめはなかったが、私のような変わり者は格好のいじめの標的になった。テニスのラケットで顔を殴られたり、ナイフを突き出されて脅されたり、体育館の裏に呼ばれたり。特に私は進学クラス(理数科)にいたので、コンプレックスを抱いている普通科クラスの生徒たちから「理数科はこっちに来るんじゃねぇ!勉強でもしてろ!」と冷たく追い返されたりもした。

体育教師も竹刀を振り回した

体育教師も体育の授業や生活指導など何か事があるたびに竹刀を振り回した。もちろん問題行動を起こすと竹刀で思いっきり叩かれたりもする。挨拶がきちんと出来ていないと何度もやり直しをさせられる。体育教師は学校で恐怖の支配者として君臨したのだ。

若駒競歩大会で30キロの山道を走った

相馬高校には若駒競歩大会という行事があって、30キロの山道を競歩(事実上マラソン)した。途中で遅れたりしている生徒がいないか、最後尾で先生が見張っていた。30キロを走るのはかなりキツかった。男子校だからこういう学校行事が残っていたのだろう。

文化祭や修学旅行は全く楽しくなかった

文化祭や修学旅行は全く楽しくなかった。特に進学クラスでは尚更だった。何の盛り上がりもなく、まとまりも希薄だった。文化祭では確か焼きそばを出したと思う。中学の時にROMAN座という劇団を結成して「帝都物語」の演劇をやったのとは大違いだ。修学旅行も京都・奈良へ行ったけれど、男同士なのでほとんど楽しかった思い出がない。大人になってから、やっと京都や奈良の楽しさに触れることが出来た。

3年間ホームルーム長を押し付けられた

私は変わり者だったので、3年間、学級投票で進学クラスのホームルーム長(クラス長)の役を押し付けられた。バラバラなクラスをまとめるのは本当に大変だったし、進学クラスの中でもいじめや対立はあった。先生から生徒会長に立候補しないかとも言われた。私は相馬高校が嫌いになり掛けていたので断った。結局、進学クラスではない生徒が生徒会長になったのだけど、彼は全く文章が書けなかったので、彼からの依頼で生徒会長挨拶や生徒会議事の原稿は私が書いた。ゴーストライターをやっていたのだ。

オナニーをみんなで見た

相馬高校では演劇部に所属していたけど、男だけしかいなかったので、当然男だけで完結する脚本でなければならない。私が脚本を書いた「理想社会」も、核戦争で滅亡した世界で唯一生き残った主人公が自分のドッペルゲンガーに悩まされるというストーリーだった。そして、演劇部で学校に合宿した時に、進学クラスではない後輩が「齊藤先輩、僕オナニーを見せます!」と全裸になってオナニーを始めた。それをみんなで見てゲラゲラ笑ったりしていたのだ。私は内心苦痛だったけれど、後輩のオナニーを最後まで見た。

楽しい思い出は外部にしかなかった

演劇部や新聞部や高校生雑誌創刊計画で、私は相馬高校以外の学校と交流を持った。楽しい思い出はその中にしか無い。そこで色々な個性と巡りあい、女子と知り合い、埼玉の女の子と文通を始めて、彼女をつくることが出来たのだ。大学進学で東京・埼玉の大学を志望した理由の1つはそれだ。ただ、大学進学後1ヶ月くらいで別れることになるんだけど。

地方の公立の男子校はブラック高校

首都圏の高校はまた違うのかもしれないが、地方の公立の男子校はブラックだ。特に人口がそんなに多くなく、交通が辺鄙な場所では事実上その男子校しか選択肢がないので、悪夢のような環境が待っている。私が卒業して数年後、相馬高校はやっと共学化した。正しい判断だと思う。

以上のような思いを我が子にはさせたくないから、地方の男子校への進学には反対する。

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